ブランド品の古物台帳
個体を残す記録例
取引に必要な欄を確認
番号・色・傷の位置
写真・伝票の参照先
社内の商品IDは、法定事項を置き換えない
中古ブランド品の古物台帳は、品目を「バッグ」だけで終わらせず、あとから同じ個体を特定できる特徴を残すことが要点です。この記事では、警視庁の公式様式を基準に、法定欄と特徴欄の書き方に加え、社内の商品IDで取引証憑と照合する手順を示します。
商品IDは自社で商品に付ける管理番号、証憑は仕入伝票など取引を裏付ける資料です。
記録義務がある取引ごとに、日付・品目・数量・特徴・相手方等を記録し、特徴欄にはブランド、型・番号、色、素材、目立つ傷など個体を区別できる情報を残します。以下は記録義務のある取引を前提とした書き方です。義務の有無は品目・金額・受入れか払出しかで異なります。
1. 法定欄と社内管理欄を分ける
- 法定事項
法令と公式様式で必要欄を確認
- 補助項目
商品ID・写真・伝票の参照先
- 照合
同じ商品をたどる
法定事項は古物営業法第16条、欄の配置と記入上の注意は警視庁の古物商向け帳簿様式(別記様式第15号)で確認できます。下表は役割の整理であり、そのまま提出・使用する帳簿ではありません。
| 区分 | 記録内容と役割 |
|---|---|
| 法定欄 | 取引年月日、品目・数量、特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢、相手方の本人確認で行った措置の区分・必要な方法。法令と公式様式に沿う記録です。 |
| 受入れ・払出し | 買受け・委託、売却・返還等の区別と日付。商品を受け取り、渡した経過を追います。 |
| 補助欄 | 商品ID、仕入伝票番号、写真フォルダ、出品番号。現物と証憑の照合を速くします。 |
商品IDは法定欄の代わりではなく、記録同士を結ぶ目印です。紙、所定事項を記載できる書類、電磁的記録など、採用する形式が要件を満たすかも確認します。相手方情報などの記載範囲にも例外があるため、取引に当てはまる欄を法令と公式様式で確かめます。
ここでいう受入れは、買受けや委託で商品を受け取ること、払出しは、売却・委託に基づく引渡し・返還で商品を渡すことです。
2. 特徴欄を具体的に書く
品目だけ:バッグ
特徴を追加:ブランド・形・色・確認した番号・傷の位置
最後の問い:似た商品が並んでも、この記録から同じ一品を探せるか
警視庁の帳簿様式の備考は、時計の特徴欄の例としてブランド、型、番号、文字板の傷を挙げ、品目は一品ごとに記載するとしています。以下は書き方を示す仮の例です。実取引や特定ブランドの鑑定結果を示すものではありません。
| 品目と簡略すぎる記録 | 個体を区別しやすい記録例 |
|---|---|
| バッグ 「ブランドバッグ・黒」 | ブランド名/ハンドバッグ/黒/革/型・製造番号(確認できる場合)/右底角に約1cmの擦れ |
| 財布 「長財布・中古」 | ブランド名/二つ折り長財布/茶系/型押し革/番号(確認できる場合)/小銭入れ内に黒ずみ |
| 腕時計 「ブランド時計」 | ブランド名/型/番号/文字板色/ベルト素材/文字板やケースの傷 |
確認できない型番や真贋判断を推測で埋めません。番号を見つけられない場合は、存在しないと断定せず「確認できず」とするなど、観察結果と判断を分けます。革の種類や寸法も、資料で確認・実測した情報だけを記録します。個人情報は必要な目的と保管ルールに沿って扱います。
3. 商品IDで照合する
- 現物と写真
商品ID B-001
- 帳簿の補助欄
商品ID B-001
- 伝票の参照先
B-001に対応する伝票番号
- 受入れ時に重複しない商品IDを付ける(例:管理用の「B-001」)
- 公式様式に沿う法定事項を、その取引の都度記録する
- 特徴欄を現物と写真から記載し、推測を混ぜない
- 仕入伝票、本人確認記録、商品写真の参照先を商品IDへひも付ける
- 販売・返還時は、法定記録が必要な範囲を確認したうえで払出しを記録する。社内の販売記録も同じ商品IDで照合する
| 照合点 | 一致条件と、不一致時の対処 |
|---|---|
| 現物と台帳 | 色、素材、番号、傷の位置が一致するか確認。不一致なら社内の出品・発送を保留し、現物から再確認します。 |
| 台帳と仕入証憑 | 日付、相手方、品目、数量を照合。不一致なら原資料へ戻り、元の記録と訂正内容・理由・日時・担当者を追えるようにします。 |
| 台帳と販売記録 | 商品IDと払出し対象を照合。不一致なら別商品の混入がないか確認します。 |
以下は架空の運用例です。同じ黒いバッグでも、B-001は「右底角に約1cmの擦れ」、B-002は「持ち手の付け根に色落ち」と記録します。B-001の販売記録から写真を開いたときに色落ちだけが写っていれば、B-002とのひも付け違いを疑い、現物と仕入伝票へ戻ります。番号だけを直さず、どの資料が別商品かを確かめて訂正履歴を残します。
訂正後に照合を閉じる記録欄
次の4欄は社内確認用です。法定帳簿の欄ではありません。訂正した資料だけでなく、出品・販売記録の参照先にも同じ取り違えがないか確認してから、社内の保留を解除します。
| 欄 | B-001の架空の記入例 |
|---|---|
| 不一致と対象 | B-001の販売記録が、B-002の写真を参照していた |
| 確認した根拠 | B-001の現物、右底角の擦れの写真、対応する仕入伝票を照合 |
| 訂正の履歴 | 写真の参照先をB-001へ変更。変更前後・理由・日時・担当者を保存 |
| 再確認と完了 | 販売記録から写真を開き直し、右底角の擦れと商品IDが一致。確認日時・担当者を記入 |
根拠資料が不足する場合は「確認中」と記録し、推測で完了にしません。
4. 記録時点と保存方法
- 取引時に記録受取り・引渡しの都度、必要事項を記載。
- 保存紙と電磁的記録では保存期間の起点を区別。
- 取り出せるか確認必要な帳簿・伝票・写真をたどれる状態に。
記録義務がある取引について、警察庁の解釈運用基準・第15(PDF28~30ページ)は、受取り・引渡しごとに記録し、週単位・月単位のまとめ記載は認めないと説明しています。
古物営業法第18条により、紙の帳簿等は最終記載日から3年間、営業所等に備え付けます。解釈運用基準は、記載すべき日と実際の記載日が異なるときは、記載すべき日を保存期間の基準としています。
電磁的記録は記録日から3年間、営業所等で直ちに書面表示できる状態で保存します。解釈運用基準では、各営業所等で直ちに印刷できる機器等が必要とされています。画面で見られるだけで足りると判断しないでください。
記帳後チェック
- 必要な法定欄に記録漏れや推測がない
- 品目を一品ごとに記録した
- 特徴から同じ個体へ戻れる
- 商品IDで現物・証憑・払出しを照合できる
- 訂正の経緯を追える
- 電磁的記録は営業所等で直ちに印刷できることを確認した
- 個人情報へのアクセスを必要な範囲に限定した
本記事は記録義務のある取引の書き方を扱います。義務の範囲は品目・金額・取引形態等で異なります。警察庁の解釈運用基準の別表も確認し、判断できない取引は営業所を管轄する警察署へ相談してください。
照合表の保留は取り違え防止の運用例で、法令による一律の取引停止命令ではありません。在庫を管理する一覧だけで法定帳簿の要件を満たすとは限りません。
リユセルは中古ブランド品の仕入れから販売までをAIと専任スタッフで支援する有料サービスです。相談では、商品情報と在庫・販売管理について、どこまで支援を受けられるかを確認できます。法定帳簿の適法性を判断するサービスではありません。
仕入れ・在庫・出品・販売管理の支援内容を確認できます。
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※2026年10月23日に確認した公式資料にもとづく一般的な情報です。個別の法的助言や法令適合の保証ではありません。利益や販売を保証するものではありません。制度・運用の変更と、取引に応じた条件は最新の公式情報・管轄警察署で確認してください。

