中古ワニ革バッグの海外発送|CITESの確認を済ませる順序

中古のワニ革バッグは、国内で買えたことや購入者が個人であることだけを理由に海外へ送らないでください。規制対象の素材を使った製品を国際移動させるときは、ワシントン条約に関わる手続きの確認が必要です。
まず素材を特定する情報を集め、日本側と相手国側の条件を確認し、不明点が解消するまで発送を保留します。
国内の中古ブランド販売から海外へ販路を広げる際は、商品資料の整理と、許可取得後の通関確認を別々に進めます。通関は、貨物の輸出入について税関の手続きを受けることです。写真から個別商品の輸出可否を判断することはできません。
1. 中古品でも素材の規制を確認する
CITES(サイテス)は、絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関するワシントン条約の通称です。対象は生きた動植物だけではありません。経済産業省の総合案内は、オークションやフリマで扱う規制対象種を使ったワニ革バッグなども、輸出入の際に輸出国が発給する許可書が必要と注意喚起しています。
中古、少量、加工済みといった事情だけで対象外と判断しないでください。経産省FAQのQ1-1〜Q1-4では、学名を調べて附属書を参照することや、対象素材が少量含まれる場合の扱いなどを説明しています。学名は生物の種を識別する学術上の名称、附属書は条約が規制対象の種を掲載した一覧です。
- 商品
商品名・ブランド名
どの一点かを特定 - 素材
学名・由来
条約上の扱いを確認 - 移動
発送先・目的
必要な手続きを照会
説明図:商品名だけで素材や手続きを判断しないための整理。
商品名に「クロコ」と書かれているだけでは、種や原産国が確認できたことにはなりません。型押し加工なのか、実際の動物の皮なのかも含め、販売者・仕入れ先に裏づけ資料を確認します。見た目だけで判断できない点は、そのまま未確認として残します。
2. 発送より先に商品の資料を集める
問い合わせの往復を減らすには、分かっていることと資料がないことを分けます。次の票は、本記事が提案する照会準備用の整理です。全欄が埋まれば許可されるという審査票ではありません。商品IDは一点ごとの管理番号です。
商品ID[ ] ブランド・商品名[ ]
素材表示[ ] 学名[未確認/資料名: ]
原産国・由来[未確認/資料名: ]
購入日・仕入れ先[ ] 購入記録の保存先[ ]
既存の許可・証明に関する資料[有/無/不明]
移動の計画
発送予定国[ ] 目的[販売/その他: ]
現在の不明点[ ]
照会と発送前の確認
次の照会先[ ] 回答日[ ] 回答保存先[ ]
税関への照会日[ ] 原本確認の方法・場所[ ]
運送事業者の受付条件[ ]
説明図:商品と根拠資料、回答の保存先を一つにまとめる記入票。
経産省FAQ Q1-20でいう原産国は、動植物が捕獲・採取・繁殖された国を指します。バッグを製造した国や購入した国と同じとは限りません。「由来」は、野生で捕獲されたのか、飼育下で繁殖したのかなどの背景を指します。FAQ Q1-4が示すとおり、人工繁殖なら一律に対象外という意味ではありません。
「商品ID C-01の中古バッグを[国名]へ販売発送する予定です。購入記録はありますが、学名と原産国を示す資料がありません。仕入れ先へ追加資料を依頼中です。商品写真と現在の資料を基に、まず何を確認すべきか、どの窓口へ照会すべきかを教えてください。」
これは問い合わせの書き方を示す架空例です。「学名不明」を推測で埋めず、回答を待つ間は発送日を確約しません。
同じブランドやモデルでも、別商品の許可書や仕入れ記録を当てはめないでください。許可書らしい書類があっても、その書類が今回の品物や移動に使えるかは別に確認します。領収書や商品説明は入手経路を整理する材料です。購入記録だけで輸出許可を代替できるとは扱いません。
3. 日本側と相手国側を分けて照会する
素材・入手資料 → 日本側の手続き → 相手国側の条件
↓
必要書類の取得 → 税関の原本確認 → 配送条件の確認
説明図:照会の順序。申請・通関の具体的手順は担当窓口の案内に従います。
- 仕入れ先へ素材情報を確認学名、原産国、入手時の資料について、分かる範囲と分からない範囲を回答してもらいます。資料のない事項を推定値で埋めません。
- 日本側の手続きを確認経産省の輸出承認手続き案内を参照し、商品資料と目的をそろえて担当窓口へ必要な手続きを照会します。附属書の区分や由来によって扱いが異なるため、「中古バッグだから同じ申請」とは決めません。海外から日本へ輸入されたものを再び海外へ出す場合は「再輸出」です。現在の品物の入手経路を伝えて確認します。
- 相手国側の条件を確認日本側の書類を取得できても、相手国・地域がより厳しい条件を設けている場合があります。相手国の管理当局や通関を扱う窓口へ必要書類と受入条件を確認します。管理当局の連絡先は、前掲の経産省FAQ Q1-7の「各締約国の連絡先」から調べられます。
- 税関での確認方法を決める必要書類を取得したら、原本をいつ・どこで提示するかを税関へ確認します。配送会社へ渡すだけで税関の確認まで済むとは考えません。
- 運送条件を確認して発送判断法令・許可の確認とは別に、利用予定の配送事業者が品物と書類を受け付けるか確認します。梱包と送り状を作る前に、未回答の事項が残っていないか見直します。
許可書を取得した後に確認すること
経産省の輸出通関時の注意では、CITES輸出許可書・再輸出証明書の原本を税関へ提示し、税関職員による15欄の裏書きを受けるよう案内しています。裏書きは税関職員が確認結果を記入することです。15欄の確認を自分で済ませた扱いにはできません。発給された輸出承認証がある場合は、その原本も提示します。
14欄には船荷証券または航空運送状の番号を記入する案内があります。これらは輸送する貨物を特定する書類です。使う配送方法でどの番号を記すか分からない場合は、出荷前に窓口へ確認します。
輸出申告が不要な20万円以下の郵便物でも、CITESの許可書等の提示は必要です。同案内は、郵便局へ差し出す前に税関の輸出郵便物の事前検査を利用することを勧めています。郵便で送る予定なら、確認票の「原本確認の方法・場所」へ税関の回答を記録してから持ち込みます。
海外の買い手から「こちらでは大丈夫」と言われた場合も、確認先、回答日、商品と目的の説明内容を残します。買い手の経験談を日本側の手続きの代わりにはしません。具体的な種・由来・国が決まっていない段階では、発送可能日を確約しないことが実務上の保留条件になります。
4. 個人用の特例を販売発送へ当てはめない
経産省の個人向け特例の案内は、個人で使用するみやげ品などについて条件を示しています。その中には商業目的でないことや学名を資料で確認できることなどが含まれます。個人が買う、1点だけ送る、贈り物と記載する、といった理由で販売目的の発送へ広げて解釈しないでください。送り状にも実際と異なる目的を書きません。
| 残った不明点 | 次の行動 |
|---|---|
| 素材の学名や由来が不明 | 仕入れ先へ資料を照会し、必要に応じ専門家へ相談 |
| 日本側の手続きが不明 | 商品資料と目的を提示して担当窓口へ照会 |
| 相手国の条件が不明 | 相手国当局・通関窓口へ確認 |
| 税関の原本確認が未手配 | 税関へ提示方法・場所を確認 |
| 配送の取扱いが不明 | 予定する運送事業者へ確認 |
説明図:不明点を担当窓口へ振り分ける対応表。
いずれかが未確認なら、商品を発送せず、確認票に次の照会先を残します。国内販売へ切り替える場合も、国際移動の確認が不要になることと、国内の売買条件を満たすことを混同しません。本記事だけで国内販売の適否を判定するものでもありません。
販売先を増やす前に、どの商品を扱い、どの資料を保存し、誰が確認するかを整理してください。リユセルは中古ブランド品の仕入れから販売までをAIと専任スタッフで支援する有料サービスです。現在の販売業務と課題を整理したうえで、必要な支援が対象に含まれるかをご確認ください。輸出許可の判断や申請代行の提供を示す案内ではありません。
仕入れから販売まで、サービスで案内している範囲を確認する。
支援内容を見る※本記事は2026年9月20日時点の公式資料を整理した一般的な解説であり、個別商品の輸出・輸入可否を判断するものではありません。対象素材と発送先に応じた手続きを担当窓口へ確認してください。

