ブランド物販・年末棚卸し

ブランド物販の確定申告
年末棚卸し5ステップ

公開日:2026年9月15日|執筆:西川 薫(株式会社SCHEME 代表取締役)

イラスト:机上でカードとノートを並べて作業を整理する女性
数え始める前に、対象商品・仕入資料・確認が必要な取引を分けます。

年末のブランド在庫は、出品中の一覧だけでは数え切れません。委託先や修理先にある商品、年末前後に届く商品も洗い出し、現物と仕入記録を一品ずつ結び付けるところから始めます。

対象は、個人で事業としてブランド物販を行う方の年末棚卸しです。確定申告全体の手続きではなく、商品を数えて棚卸表を残すまでの5工程に絞ります。法人の決算日は一律に12月31日ではありません。

ブランドオークションでの仕入れとフリマ販売を行う当社の視点で、商品の個体差や保管先を記録へ落とし込みます。税務上の扱いは国税庁の案内を参照します。

1. 12月31日時点の棚卸し対象を集める

イラスト:棚の商品を手に取る女性とタブレットで照合する男性
保管場所を順番に確認します。外部へ預けた商品は、相手先の記録とも照合します。

国税庁の令和7年分「青色申告の決算の手引き(一般用)」は、棚卸しの時期を12月31日とし、商品などを種類・品質・型などの別に実地で数量確認すると案内しています。年末と異なる日に数えた場合は、その日と12月31日の間の売上げ・仕入れなどから基準日現在へ戻す計算と、その方法の記録が必要です。

確認場所・状態棚卸し一覧へ入れる候補残す確認情報
手元自宅・事務所・保管棚にある販売用商品商品ID、保管場所、数量、状態
外部委託販売や加工・修理等で預けている商品預け先、発送日、受付記録、返却予定
年末前後に移動仕入済み未着、発送済み未完了など判断が必要な商品取引日、発送・受領状況、契約資料、確認先

未着品や発送中の商品をどの年の棚卸資産・売上へ含めるかは、取引条件や事実関係で変わります。画面の状態だけで決めず、請求書、落札記録、発送記録をそろえて専門家へ確認できる形にします。

2. 商品IDで現物・数量・状態を記録する

イラスト:保管棚のバッグとタブレットの記録を照合する女性
同じ型のバッグでも、現物と商品IDを対応させて記録します。

同じブランドや同型の商品が複数あっても、「バッグ2点」だけで終えず、普段使っている商品IDと結び付けます。中古品は個体ごとに仕入額や状態が違います。数えた現物と、その商品の仕入資料へ戻れる記録を残します。

一品ごとに複製する現物確認欄

商品ID[ ]/品目・識別情報[ ]/数量[ ]/保管場所・預け先[ ]/12月31日時点の状態[販売前・出品中・委託中・確認中]/破損・著しい陳腐化等の有無[ ]/確認者・確認日[ ]

傷や流行遅れがあるだけで任意の金額へ下げるのではありません。国税庁の手引きは、災害による著しい損傷や著しい陳腐化など、通常の販売価額で販売できない等の場合を他の棚卸資産と区別して扱う説明をしています。該当判断と評価額は根拠資料をそろえて確認します。

3. 仕入記録と照合し、評価方法を確認する

同じ商品IDで結び付ける

  1. 現物一覧
    数量・状態・保管先
  2. 仕入原資料
    落札明細・請求書・決済記録
  3. 評価方法
    届出と継続している処理を確認
図:数量と取得資料をそろえたうえで、適用する評価方法に沿って棚卸高を計算します。
照合欄確認する資料差異があれば
商品ID・品目在庫台帳、落札・仕入明細別ID、セット仕入れ、入力漏れを確認
仕入日・仕入先請求書、領収書、取引履歴日付と相手方を原資料へ戻す
取得に関する金額落札明細、請求・決済資料何を含めるか会計処理と照合
販売状態販売画面、発送・入金記録在庫・売上のどちらかを確認

国税庁の手引きは、あらかじめ届け出た評価方法を使い、届出がない場合は最終仕入原価法によると説明しています。ただし、中古ブランド品は同じ見た目でも状態や個体が異なります。最終仕入原価法をどの区分にどう適用するかを自己判断で単純化せず、継続している評価方法や届出内容を確認してください。

年末の照合につながる、日々の仕入れから販売までの流れを動画で案内しています仕入れから販売までの流れを案内する動画

4. 差異を消さず、理由と確認先を残す

イラスト:端末の商品一覧と発送箱を照合する女性
発送や売却の記録が、在庫一覧へ反映されているかを確認します。図は運用のイメージです。
差異先に調べること記録する結論
現物あり・台帳なしセット仕入れ、登録漏れ、私物混入仕入資料と商品IDの対応
台帳あり・現物なし販売、委託、修理、発送、紛失移動先と根拠資料
仕入額が一致しない複数商品の按分、手数料等の処理採用額、計算根拠、確認者
状態が大きく変化破損時期、写真、修理・処分見込通常在庫と分けた理由、確認先

差異が残った商品は、根拠なく帳簿を合わせず「確認中」の一覧に分けます。未解決のまま申告から除外するという意味ではありません。税務上の扱いが必要なものは、商品ID、原資料、現物写真、質問事項を一組にすると、税務署や税理士へ具体的に相談できます。

5. 棚卸表と原始記録を保存し、次年へつなぐ

イラスト:書類を付箋付きの束とトレーに分類する手元
棚卸表だけでなく、数えたときのメモや判断に使った原資料もまとめて保存します。
保存する一組

完成した棚卸表/実地確認メモ/商品IDに対応する仕入・販売資料/差異の調査記録/評価方法と計算の根拠。

国税庁の手引きは、実地棚卸しで数量などを記したメモ等の原始記録を棚卸表と一緒に保存すると案内しています。保存期間は申告区分や書類で異なり、国税庁の個人事業者向け案内では、青色申告の棚卸表など決算関係書類は7年、白色申告の決算に関する棚卸表等は5年とされています。

まずは保管場所と預け先を書き出し、商品IDごとに確認の印を付けられる一覧を用意してください。

リユセルの在庫管理・売上管理は、日々の仕入れから売却までを整理する機能です。個体ごとの状態確認や税務上の評価を自動で確定する機能ではありません。日常の記録を整え、年末に現物と照合できる状態を目指します。

仕入れから販売まで、どの情報を記録するか実際の画面でご案内します。

在庫管理について相談する

仕入れから販売までの記録を整理しませんか

在庫管理・売上管理の支援範囲をご案内します。税務申告の代行は行いません。

相談は無料です。無理な勧誘は行いません。

西川 薫(株式会社SCHEME 代表取締役)

西川 薫(株式会社SCHEME 代表取締役)
株式会社SCHEME 代表取締役。ブランドオークションでの仕入れとフリマアプリでの販売を自ら実践し、実際の取引にもとづいて本コラムを執筆・監修。大阪府公安委員会 古物商許可 第62111R061035号。

※個人事業者の一般的な棚卸し手順です。参照資料は2026年9月15日に確認した令和7年分の国税庁資料で、申告時は対象年の最新資料をご確認ください。評価方法・取引時期等の個別判断は税務署や税理士へ相談してください。利益や販売を保証するものではありません。